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【第5回】事例紹介 リフレーミングで視点が変わる|「怒りの正体」に気づいたA子さんの転機


目次

✅ 「なんであの人はやる気がないの?」というイライラの正体

カウンセリング現場でよく聞くフレーズの一つが、

「どうしてもあの人が許せないんです」

感情の奥には、“強い思い込み(ビリーフ)”が潜んでいることが多くあります。
今回は、不安とイライラを抱えるA子さんの事例を通して、「リフレーミング」=別の角度から物事を見るスキルを紹介します。


🧩 ビリーフが感情を増幅させる仕組み

A子さんの強いイライラの原因は、あるビリーフ(思い込み)にありました。

「ベテラン社員は、責任感がなく、仕事に無関心だ」

この思い込みがあると、ちょっとした行動にも不信感が湧き、「まただ…」「やっぱりやる気ないんだ」と、感情がどんどん膨らんでしまいます。

でも、このビリーフ自体は本当に“事実”なのでしょうか?


👀 視点を変えると、別の景色が見えてくる

私は、A子さんに問いかけました。

「この出来事を、違う角度から見ると、どんな風にも捉えられるでしょうか?」

一緒に考えていく中で、次のような“新しい解釈”が生まれました。

💡 視点の切り替え例

視点新たな気づき
A子さんの強さ自分に強い責任感があるから、周囲の緩さに敏感になっている
課長への抜擢その責任感が認められ、最年少で課長になった
今は育成期苦労の中に未来の成長がある時期かもしれない
相手の成果成績は出しており、会社に貢献している部分もある

このように、ひとつの出来事でも、視点を変えることでまったく違った意味を持たせることができるのです。


🎭 NLPの「リフレーミング」とは?

NLP(神経言語プログラミング)では、このような視点の切り替えを**「リフレーミング(Reframing)」**と呼びます。

  • リフレームとは、“枠組み”を変えること
  • すると、感情や反応も変わってくる

まるで、写真の額縁を変えると、同じ絵が違って見えるように、意味の付け方次第で、人の反応も変わってくるのです。


🧠 メタファーの力|未来を肯定する比喩

A子さんは戦国時代の武将が好きな方だったので、私は以下のように言葉をかけました。

「今は徳川家康の若いころのように、“我慢の時”かもしれませんね」

「今の苦労は、将来必ず報われますよ」と直接的な言葉でいうよりも、

その人が、実感しやすい何かに例えて伝えた方が、感情に深く届きやすい傾向があります。

この何かに例えていうことを、メタファー(比喩)と言います。

適切なメタファーを使うことは、一つのスキルです。

A子さんは「確かに、今は未来のための踏ん張りどきですね」と、表情を和らげました。


🔁 リフレーミングは悩みを「成長のきっかけ」に変える

強いビリーフは、感情の暴走を招くこともあります。
しかし、視点を変えてみると――

  • 感情の背景にある自分の価値観が見える
  • 相手を100%否定するのではなく、一部の肯定ができる
  • 苦しみを「意味ある経験」として捉え直せる

まさに、悩みの世界から、希望の世界へと視点がシフトする瞬間です。


💬 今日のひとこと

リフレーミングは、新しい視点を与え、苦しみを希望へと変える力がある。
“枠”を変えれば、“意味”が変わり、未来が変わっていく。


📝 まとめ|視点の変化が感情を変える

項目内容
ビリーフの例「ベテラン社員は責任感がない」
感情への影響イライラ・不信感が強化される
リフレーミングの効果視点を変えて希望が見える
NLPの技法リフレーミング、メタファー
実践ポイント否定から肯定への切り替えを意識する

🔗 次回予告

【第6回】リラックスの力で心を整える|体から心にアプローチする方法とは?

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この記事を書いた人

専門分野 
コーチング・カウンセリング

国家資格
公認心理師
キャリアコンサルタント
中小企業診断士
保育士

その他資格
一般社団法人ここからだ 認定発達支援コーチ
米国NLP協会認定NLPトレーナー
米国教育キネシオロジー協会認定ブレインジムインストラクター
国際キネシオロジー大学認定タッチフォーヘルスインストラクター

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