カウンセリングを「実例」で学ぶ
前回は、私自身の体験を通じて、「カウンセリングとは何か?」という基本についてお話ししました。
今回は、実際に私が関わらせていただいたカウンセリングの事例をご紹介します。
実例を通じて、カウンセリングのリアルな姿や関わり方を感じ取っていただけたらと思います。
ぜひ皆さんも「もし自分だったら、どんなふうに関わるだろう?」と想像しながらお読みください。
なお、本事例は守秘義務に配慮し、登場人物や状況設定を変更し、個人が特定されないように構成しています。
クライアント:A子さんの状況
A子さんは、知人の紹介で私のカウンセリングルームを訪れました。
勤務先は社員数数百名規模のB社。数十年の歴史を持つ企業ですが、近年はITを取り入れて急成長を遂げています。
社内には営業力のあるベテラン社員が多く在籍していましたが、その多くは単独行動を好み、若手との協働や育成には消極的な雰囲気がありました。
そんな中、A子さんは40歳という若さで、第一営業課の課長に抜擢されます。
社長からは、彼女の行動力や説得力、会社への貢献が高く評価されての抜擢でした。
家庭では子育て中ながら、ご主人の協力もあり、仕事に全力を注ぐ日々を送っていました。
しかし、現実は想像以上に厳しく…
課長として奮闘するA子さんでしたが、年上の部下たちは非協力的。年下の部下たちも仕事に真剣に取り組んでいる様子がなく、ストレスが積み重なっていきました。
そんなある日、年上の部下が大口顧客への重大な納品ミスを起こし、会社は大きなクレームを受けました。
その対応に追われたA子さんは、冷静さを失い、動悸と混乱に襲われながらなんとかその場をしのぎました。
それを境に、眠れなくなり、不安感が突然押し寄せたり、家では大切なご主人にきつく当たってしまうことも増えてきました。
職場では、メンバーの責任感のなさにますますイライラが募り、日常が不安と怒りに満ちたものになってしまっていたのです。
ここから始まるカウンセリング
このような状況を初回セッションで丁寧にお聴きし、A子さんとは数回にわたるカウンセリングを開始しました。
次回からは、この事例をもとに、私がどのような関わりをしていったのか、具体的なステップをご紹介していきます。
カウンセリングの手法は一つではない
カウンセリングにはさまざまな流派があり、どの道を選ぶかはクライアントの状態やニーズに応じて変わります。
目的地(=満足と問題解決)は同じでも、そこに至る「登山道」は人それぞれ。私自身は、NLP(神経言語プログラミング)をベースにして関わっています。
NLPカウンセリングの特徴
NLPには、以下のような特徴があります:
- 短期療法(ブリーフセラピー)の一種
- 複数の心理手法を柔軟に組み合わせる
- 問題よりも“望ましい未来”に焦点を当てるアプローチ
心理手法とは、たとえば、五感を使ったイメージワーク、ものの考え方のパターンの再構築、行動の見直し、ボディワークなど、必要に応じて手法を柔軟に選びながら、クライアントの変化を支援していきます。
まとめ|今日の一言
カウンセリングには、さまざまな流派と方法があります。
NLPは、短期的な成果・柔軟な技法・未来志向のアプローチという点が特徴です。
次回は、A子さんの事例の中で、どのような視点で関わり、どんな変化が生まれていったのかを、より具体的にご紹介していきます。
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