✅ つい溜め込んでしまうあなたへ
- 誰にも本音を話せない
- 感情が整理できず、ぐるぐる考えてしまう
- 不安やイライラが止まらない
そんなとき、心が欲しているのは「解決策」よりも「安心して話せる場所」かもしれません。
今回は、前回に引き続き、A子さんのカウンセリング事例をご紹介しながら、“傾聴”というシンプルで深いコミュニケーションの力についてお伝えします。
🧠 カウンセリング初期で意識したこと|まず「安心して話してもらう」
A子さんは、職場での責任ある立場にある一方、イライラや不安を誰にも打ち明けられず、ひとりで抱え込んでいました。
私がカウンセリング初期に意図したのは、以下の2点です。
① 「話すこと」で思考を整理できる
A子さんは、これまでこの悩みを誰にも十分に話せていない様子でした。
✅ 不安や混乱は、頭の中で堂々巡りすることで強まっていきます。
だからこそ、一度外に出して、言葉にすることがとても大切です。
丁寧に話してもらうことで、本人も気づいていなかった本音や願いに出会うことがあります。
② 「聴いてもらえる経験」が孤独を癒す
職場で孤独感を抱えていたA子さん。
周囲の協力が得られず、「誰からも支えられていない」という感覚に苛まれていました。
私は、彼女の言葉を一つひとつ否定せず受けとめ、共感できる点は素直に伝えるよう心がけました。
💬「誰かに本音を聴いてもらえる」――この体験そのものが、すでに回復のプロセスなのです。
結果、初回のセッションの終盤には、A子さんの表情は徐々に柔らかくなっていきました。
🤝 支え合う関係が生まれた|ソーシャルサポートの力
数回のカウンセリングの後、A子さんはこんな言葉をくれました。
「以前は、仕事で弱音を吐いたらいけないと思ってたんです。でも最近は、仲間と飲みに行って、少し愚痴を言い合うことも大事だと思えるようになってきました」
「愚痴=悪いこと」と思いがちですが、実は、これは**“ソーシャルサポート”**の一つ。
- 弱さを共有できる
- 共感してもらえる
- アドバイスがもらえる
- 「自分だけじゃない」と思える
こうした経験は、人の心に安心感と活力を取り戻させてくれます。
✅ ソーシャルサポートは、ストレス軽減に極めて効果的な“人間関係の栄養”です。
👂 「傾聴」の力とは何か?
カウンセリングの世界では、「傾聴(けいちょう)」は最も基本的で重要なスキルです。
A子さんの場合も、話をじっくり聴いていくことで、次のような変化が生まれました。
- 感情や思考が整理され、不安が軽減
- 他者との関係の中でも、相手の話を聴くようになる
- 家族との接し方にも変化が見られるように
つまり、「傾聴される経験」が、その人自身の“傾聴力”にも伝播していくのです。
🧭 NLPにおける「聴く力」の習得
NLP(神経言語プログラミング)では、「聴く」ことを高度な技術として捉えています。
- ラポール:安心感と信頼を築くスキル
- メタモデル:相手の話を深く掘り下げる質問技法
- キャリブレーション:相手の非言語的反応を観察する技術
NLPでは、単に「耳を傾ける」のではなく、相手の心の奥にある本音や、まだ気づいていない可能性を引き出すことを目的としています。
💬 今日のひとこと
「聴いてもらう」体験が、「人とつながる力」や「自分を信じる力」を育てていく。
それが“傾聴”の本当の力です。
📝 まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
傾聴の効果① | 思考と感情の整理ができる |
傾聴の効果② | 安心感・信頼感が育つ |
傾聴の効果③ | 他者との関係性が変わる(伝播) |
NLP的応用 | ラポール・質問技法・非言語観察などを活用 |
🔗 次回予告
【第4回】イライラや不安の“意味”を変える|リフレーミングという視点転換
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