✅ その「不安」や「イライラ」…実は思い込みかもしれません
「朝から晩までイライラしてしまう」
「何をしていても不安が消えない」
そう感じている方へ――
今回は、前回に引き続き、A子さんのカウンセリング事例をもとに、思い込み(ビリーフ)に気づき、手放していくプロセスをご紹介します。
私たちは時に、「事実」ではなく「思い込み」に苦しめられていることがあります。
NLP(神経言語プログラミング)では、それを丁寧に“質問”で紐解いていきます。
🧩 質問の力|思い込みをはがす“問いかけ”
カウンセリングの中で、私はA子さんに次のような問いかけをしました。
- どんな時にイライラや不安が起こりやすいですか?
- 逆に、どんな時はそういった感情が起こりませんか?
一見、シンプルな質問ですが、これが大きな気づきにつながります。
🔍 「一日中イライラしてる」は本当?
A子さんは「一日中、不安やイライラで落ち着かない」と感じていました。
しかし、上記のような質問を通じて、こんな事実が見えてきました:
- イライラするのは、主に“ベテラン部下のやる気のない対応”に接した時
- 不安になるのは、出勤前や夜寝る前などの“区切りの時間”
つまり、感情は特定の状況下で強く現れているだけであり、四六時中ではなかったのです。
✅ 「一日中ずっとイライラしている」というのは、“思い込み”や“錯覚”だったのです。
この事実に気づいたことで、A子さんはこんな風に変わっていきました。
💬「なんだ、意外と落ち着いている時間もあるんですね」
それだけで、心が少し軽くなるのです。
☕️ 落ち着ける時間の“再発見”と“活用”
さらに話を掘り下げる中で、A子さんはこう語ってくれました。
「そういえば、○○さんと雑談してるときだけはホッとできる気がします」
それは、仕事への考え方が似ていて、気持ちをわかってくれる同僚との時間でした。
この気づきから、次のような行動変容が起きました。
- その人との会話時間を意識して増やす
- 同じように話せる人を社内で増やしてみる
- その時間を「リセットの場」にする
✅ “落ち着ける時間がある”という事実に気づくことが、次の行動のヒントになります。
💡 NLPにおける「思い込み(ビリーフ)」とは?
NLPでは、「思い込み」のことを**ビリーフ(Belief)**と呼びます。
このビリーフが、問題の温床になっているケースは少なくありません。
例えば:
ビリーフ | 問題の現れ方 |
---|---|
一日中イライラしている | リラックスできる時間にも気づけない |
私が頑張らなきゃダメ | 他人に頼れず孤立 |
仕事で弱音を吐いてはいけない | 愚痴を言えずストレスをためる |
こうしたビリーフに気づき、手放すことで、新たな可能性や選択肢が見えてきます。
🛠 NLPの質問技法|メタモデルとスライト・オブ・マウス
NLPには、思い込みを外すための効果的な質問技法があります。
- メタモデル(Meta Model)
→ あいまいな表現の背後にある前提や制限を明らかにする質問法 - スライト・オブ・マウス(Sleight of Mouth)
→ 相手のビリーフをやわらかく再構成して、より良い意味づけに導く技法
これらを活用することで、カウンセラーはクライアントの視点を柔らかく広げ、思い込みから自由になるお手伝いができるのです。
💬 今日のひとこと
「思い込み」=「苦しみの正体」
その正体に気づけたとき、新しい選択肢と希望が見えてきます。
📝 まとめ|質問の力で「真実」に出会う
項目 | 内容 |
---|---|
質問の目的① | 感情や状況の整理 |
質問の目的② | 思い込み(ビリーフ)の明確化 |
気づきの効果 | 落ち着ける時間があることに気づく |
NLPの技法 | メタモデル、スライト・オブ・マウス |
次の一歩 | 気づきから新たな行動が生まれる |
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